今回は、世紀の魔術師と呼ばれた人物「アレイスター・クロウリー」について、彼が遺した名言や後世に与えた影響を踏まえて紹介していきます。
目次
アレイスター・クロウリーの経歴と人生 生き方
アレイスター・クロウリーは、世紀の魔術師と呼ばれた人物で、イギリスのオカルティストです。「全ての男女は星である」という言葉を遺したことや、トート・タロットをデザインしたことでも有名な人物です。
クロウリーは、いかにして世紀の魔術師とまで言われるようになったのでしょうか?
クロウリーは、1875年にイギリスで生まれました。
悲しき幼少時代を過ごしたクロウリーですが、ケンブリッジ大学に入学後、魔術結社に参入して怪しげな知識を仕入れます。
卒業後、結婚したクロウリーはハネムーン先で魔術儀式を行いました。
その際に授かった言葉を『法の書』として書き留めます。これは彼の人生を語るにおいて無視できない、セレマ思想を提唱するキッカケになりました。
ハネムーン後、魔術結社を結成し、セレマ思想の伝道に執心します。
また、ドイツのオカルト団体のイギリス支部を任されたクロウリーは、やがて団体全体の実権を握りました。
この2団体の主催により目立ったクロウリーは、世間からバッシングを受け、世界で最も邪悪な男と呼ばれます。
悪名高くなったクロウリーはイギリスから追放されます。
フランスやドイツで信者を作っては資金源にしていました。
その間もセレマ思想の伝道を続け、イギリスに戻って無一文になってからは、その過程で得た人脈で生活していました。
イギリスに戻ってからはトート・タロットの製作や執筆活動に精を出していました。
トート・タロット及びその解説書『トートの書』を完成させますが、その3年後に、72歳でこの世を去りました。
なぜ時代を超えて彼に惹きつけられるのか?
アレイスター・クロウリーは生前、悪名高い存在として、世間からはとても大きなバッシングの的でした。
しかし現代では、クロウリーに影響を受けた人物や作品が数多く存在します。
なぜクロウリーは、時代を越えて人を惹きつけるのでしょうか?
結論から言うと、クロウリーが支持していた思想は、時代の先を行き過ぎていたのです。
クロウリーの思想は、後のスピリチュアルやヒッピー文化、ニューエイジなどのカウンターカルチャーにおいて広く支持されます。
スピリチュアルにおいて、医療の重要な要素は精神的な部分であるとされています。
登山家でもあったクロウリーが高い山に挑戦したのは、娘の健康を祈るためです。
ヒッピー文化は、ドラッグとセックスを自由にやる文化です。
クロウリーは、麻薬と淫行を取り沙汰されてバッシングを受けることが多かったのです。
またクロウリーへのバッシングは、バイセクシャルである部分も的になりました。
現代においてLGBTQと呼ばれる人々は、批判されるべきではないという考え方が当たり前になっています。
このように、クロウリーは未来的には迎合・許容される点を、当時批判されていました。
新しい時代の礎となったクロウリーは、新しい時代となった今、多くの人を惹き付けるのです。
アレイスター・クロウリー名言
アレイスター・クロウリーは数々の名言を遺しています。多くは、セレマ思想を伝道するための言葉です。ここでは、クロウリーが遺した残した名言を、その解釈と共に紹介していきます。
※解釈に関しては諸説あります。
汝の意志することを行え
砕けた日本語で言うなれば、「君のやりたいようにやれ」となります。
セレマ思想において、基本的かつ最上級の思想で、これを越える法は無いとされています。
解釈としては、自分の意思決定こそが最も重要視されるべき事項であり、それはいかなるものにも邪魔することはできない、といった意味になります。
全ての男女は星である
全ての男女、これはすべての人間を指します。
星である、これは輝いているという意味です。つまり、全ての人間は輝きを持った存在であるということを伝えたい言葉になります。
また、星というのは太陽など、惑星たちの公転の中心にいる星を意味するもので、全ての人類が世界の中心であるという説もあります。
世界とは鏡のようなもの、それを変えるにはあなたを変えるしかない
短くまとめると、「世界を変えたければ自分が変わるべきである」となります。
世界が鏡のようなものであるということは、世界は自分を映しているものであると同時に、自分は世界の一部であるということです。
自分が世界の一部であるということは、自分が変われば世界も変わるということです。
自分を変えるという小さなことから始めるべき、自分が変われば世界の見方も変わる、といったことを伝えたかった可能性もあります。
後世に与えた影響
アレイスター・クロウリーは、時代を越えて様々な人物に影響を与えている人物です。
ここでは、クロウリーに影響を受けているアーティストや小説作品などを紹介していきます。
ビートルズ
ビートルズは、1960年代を代表する、世界レベルでも指折りにポピュラーなイギリスのロックバンドです。
バンド名だけでなく、リーダーのような存在であるジョン・レノンですら、名前を聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか?
そんなビートルズのアルバム「サージェント・ペパー・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のジャケットには、クロウリーの顔がコラージュされています。
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オジー・オズボーン
こちらも世界的に有名なアーティストで、日本では「メタルの帝王」などと呼ばれています。オジー・オズボーンは、クロウリーをモチーフにした楽曲「Mr. Crowley」を発表しています。
D.Gray-man
D.Gray-manは、週刊少年ジャンプで2004年から連載された少年漫画です。
架空の19世紀末のヨーロッパを舞台に、悪の組織を打ち倒すべくエクソシストである主人公たちが奮闘する物語です。
この作品には、「アレイスター・クロウリー三世」というキャラクターが登場します。
作中では彼の存在を「吸血鬼」と噂される場面もあり、不気味で謎めいたキャラクターであると想像できます。
とある魔術の禁書目録
とある魔術の禁書目録は、様々なシリーズが展開されている有名な小説・ライトノベル作品です。科学と魔術、それぞれを信じる者たちが対立し、争う物語です。
この作品にも、「アレイスター・クロウリー」というそのままの名前で登場するキャラクターがいます。
ネタバレになるので詳しい子とは言えませんが、物語の根幹にかかわる超重要人物です。
まとめ
今回は、世紀の魔術師と呼ばれた人物「アレイスター・クロウリー」について、彼が遺した名言や後世に与えた影響を踏まえて紹介しました。
次回は、クロウリーの作品である「トート・タロット」や、クロウリーの現代における評価について紹介しています。