【すべての男女は星である】世紀の魔術師アレイスター・クロウリー 後編 | 占いブッフェ

前回は、世紀の魔術師と呼ばれた人物「アレイスター・クロウリー」について、彼が遺した名言や後世に与えた影響を踏まえて紹介しました。




今回は、クロウリーの最期の作品ともいえるトート・タロットについて、そして現代におけるクロウリーの評価について紹介していきます。




まずは前編のおさらいです。

アレイスター・クロウリーは、世紀の魔術師、世界で最も邪悪な男と呼ばれたオカルティストでした。

そんな彼は、自らの思想を伝道するため、様々な作品を残しています。

そのうち最も重要な作品として、『法の書』が挙げられます。

クロウリーがセレマ思想を伝道するために書いた著書です。

クロウリーはこれを用いてたくさんの支持者を得てきました。

そして今回紹介するトート・タロットは、クロウリーが遺したもう一つの重要な作品です。

トート・タロットは、クロウリーの没後、多大な人気を誇り、多くの人の目に触れました。




アレイスター・クロウリーとトート・タロット

トート・タロットは、アレイスター・クロウリーが制作したタロットです。もちろん、独力で制作したのではなく、協力者が存在しました。

クロウリーはどのような経緯でトート・タロットの制作に至ったのでしょうか?そして、どのようにして協力者を得たのでしょうか?

国を追われたことや、政治的な問題で割を食ったクロウリーは、自己破産を宣告し、還暦を過ぎて無一文になりました。

弟子たちに面倒を見てもらうようになった頃、1938年にトート・タロットの制作に取り掛かります。

当初の予定では、3か月で完成される予定だったトート・タロットですが、結果的に5年以上の歳月を経て完成に至りました。

そして、トート・タロット完成から3年後、クロウリーは息を引き取りました。

トート・タロット制作において、重要な人物がもう一人存在します。女流画家の、フリーダ・ハリスという人物です。

ハリスは、トート・タロットに描かれている絵画の描画を担当しました。

トート・タロットと言えばクロウリーというイメージが強いかもしれませんが、実はトート・タロット制作の主導権を握っていたのはハリスでした。

なぜならトート・タロットは、ハリスがクロウリーを雇って監修を依頼したからです。

また、タロットと言っても、完成時には解説書である『トートの書』が発表されたのみでした。

ハリスが描いた絵は、その挿絵になっています。

タロットカードについては、クロウリーの死から22年後に、友人の手によってようやく完成させられました。




トート・タロットとは?

トート・タロットは、ゲームや占いに使用されるタロットカードの一種です。

古くから言い伝えられてきたものもありますが、トート・タロットはそれらをもとにクロウリーがデザインした派生物です。

様々な名前の付いたタロットカードがありますが、枠組みには大きな差はなく、内容が少しずつ差異がある程度です。

1組が78枚で構成され、22枚の大アルカナ、56枚の小アルカナが含まれています。

トート・タロットの特徴

他のタロットトート・タロットの違いは、カードの名称です。

タロットは黄金の夜明け団の教義に基づいて作られています。トート・タロットも例外ではありませんが、クロウリーの解釈により、他の派生タロットと比較しても相違点が多くなっています。

例えば、大アルカナは名称変更されたカードが多いです。

そもそも、大アルカナを「アテュ」と呼んでいるところから違います。

22枚の大アルカナには1枚ずつそれぞれに名称がついており、一般的なタロットから以下のような変更が加えられています。

正義→調整

節制→技

審判→永劫

世界→宇宙

また、絵柄の変更も多くされており、色彩の美しさや、繊細なタッチが特徴的です。

こだわり抜かれているためやや難解ですが、個性的な作品となっています。




トート・タロットの魅力

トート・タロットの魅力は、象徴的かつ複雑な絵柄にあります。

また、象徴が神秘的であるため、よりクロウリーのマインドに近い、直感のカードになっています。

初心者向けとは言いづらいですが、タロット愛好家からの評価は高いです。

クロウリーの世界観が多分に込められていることもあり、クロウリーの思想にマッチする人にとってはより大きな意味を持ちます。

5年分の制作期間と、クロウリーのほぼ一生が詰まった作品だからこそ出せる魅力です。




アレイスター・クロウリー現代の評価

前編では様々なアーティストや創作家が、アレイスター・クロウリーから影響を受けていることを紹介しました。

では、クロウリーは現代において、総合的にどのような評価なのでしょうか?

まず知名度に関してですが、オカルト分野に深い興味がない人も、名前は聞いたことがあるという人が少ないながらもいるようです。

とある魔術の禁書目録など、有名な作品の登場人物として名前が使用されている影響でしょうか。

賛否に関しては、クロウリーが生きていた当時と比較すれば、悪い評価をする人数は減っています。

考え方の多様性が重要視される現代では、クロウリーの経歴は多様性を求める人から評価される対象なのかもしれないですね。




まとめ

2回にわたって、アレイスター・クロウリーにまつわる諸々を紹介していきました。

クロウリーは世間から糾弾されるほどには個性的で、大きな力を持っている人物だったと言えるでしょう。




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