なぜ数字の【7】はこんなにポジティブ認知されている? 人気の数字【7】の謎に迫る 前編 

今回は、なぜ【7】がラッキーナンバーとされているのか、キリスト教や仏教などの宗教的背景を踏まえて紹介していきます。




なぜ数字の【7】にラッキーがつくのか?ラッキー7の由来

ラッキー7という言葉があります。

7は様々な国や地域において、幸運の数字であるとされています。

普通に過ごしている中でも、7という数字に出会ったら幸運だと感じる人も少なくないのではないでしょうか?

では、何がキッカケで、7が幸運の数字であるとされるようになったのでしょうか?

そのきっかけはとある野球の試合でした。

1885年、アメリカで行われたメジャーリーグの優勝がかかった試合でそれは起こりました。とあるバッターが勢いのないフライを打ち上げました。

普通ならアウトになるところでしたが、幸運にも強風を味方につけた打球はスタンドまで運ばれました。

そのホームランが決定打となり、チームは優勝しました。

このホームランが起こったのが7回であり、優勝チームのピッチャーはこの出来事を「ラッキーセブンス」と呼びました。

語源は諸説ありますが、一般的にはこれが語源とされています。

野球の試合で、ジェット風船が飛び交う光景を見たことはないでしょうか?

これはいくつかの球団で定められている、7回裏の攻撃開始時に観客が一斉に行う恒例行事です。

元々は西洋の文化でしたが、いつの間にか日本にも伝わったようです。




西洋での数字【7】にまつわること

「ラッキー7」という言葉の由来は野球の試合でしたが、7が幸運にまつわる数字であるという話は、もっと古くから存在します。

野球の試合での出来事は、あくまで言葉ができたキッカケに過ぎないのです。

西洋で7が幸運の数字であるとされているのは、キリスト教に由来します。

キリスト教における数字の「七」

聖書において「七」は最も重要な数字で、「完全」や「世界」を示すものです。

旧約聖書の創世記には、神が6日間で世界を作り、7日目に休息を取ったと言われています。

1週間が7日であることは、この記述が起源であると言われています。

キリスト教において最も重要とされている数字である七は、聖書においての登場回数がとても多いです。

例えば、七つの大罪や、七元徳がそれにあたります。




七つの大罪

七つの大罪は、キリスト教で定められた七つの悪行です。

その7つとは、傲慢、嫉妬、強欲、色欲、憤怒、怠惰、暴食です。

英語では「seven deadly sins」で、直訳すると「七つの死に至る罪」となります。

それらそのものが罪というよりは、罪を犯すに至る可能性が高い感情を羅列しています。

七元徳

七元徳は、キリスト教の教えにおいて善行・美徳とされている7つのことです。

その7つとは、知恵、節制、勇気、正義、信仰、希望、愛です。前述した7つの大罪とは対照的なものであると言えます。




東洋での数字【7】にまつわること

東洋においても、7が大きく影響している文化があります。

それは、東洋において広く信仰されている宗教である仏教です。

仏教における数字の「七」

仏教において七がラッキーナンバーとされているのは、「七宝」に由来すると言われています。

七宝とは、仏教において貴重とされている7種類の宝のことです。

7つの宝が何を指すかは、仏典によって違うようです。

そして、七にまつわる仏教にルーツを持つ概念はいくつもあります。今回は、そのうちの一部を紹介します。




七福神

七福神は、日本で福徳の神として信じられる七人の神々です。

七福神自体は日本で語られているものですが、起源は仏教にあります。

神々は一般的に、恵比寿、福禄寿、布袋、弁財天、寿老人、毘沙門天、大黒天の七人とされています。

七夕

七夕は一般的に広く知られている行事で、織姫と彦星の話なども有名です。実は、七夕も仏教と深い関連があります。七夕は元々、「棚幡」という単語でした。

「棚」はお盆に用意される、ご先祖様を迎え入れるための精霊棚を意味します。「幡」は、仏教の祭祀で使用される仏具で、お盆の時期に精霊棚に安置するものです。

七草粥

日本の伝統的な料理のひとつで、米と七種類の春の野菜を煮たものです。

「七草」とは、春に咲く野菜のことを指し、七種類の種類は地域や季節によって異なります。一般的には、ほうれん草、笹の子、水菜、高菜、海藻、蕗の花、蕨の葉などが使用されます

七草粥は、米と野菜を煮た後に、塩や味噌などを加えて味付けをします。

また、七草粥には健康に良い効果があるとされています。




七つ道具

七つ道具とは、あることに取り組むにあたって揃えておくと便利なアイテム群を指して使われる言葉です。

「武士の七つ道具」のように古いものから、IT業界で使われる「QC七つ道具」など、古今様々な場面で使用される言葉です。

その一つに「弁慶の七つ道具」があります。七つ道具を構成するアイテムは記録によって様々ですが、ほとんどはダメージを与えるための武器です。

弁慶が仕えていた源義経は仏教と関係が深い人物であったことから、弁慶が道具を七つにしたのも仏教と関係している可能性があります。

親の七光り

親の七光りとは、本人は大したことのない人物であるにもかかわらず、親の名声や権力により周囲から重んじられること、あるいはそのような人物を指して揶揄する言葉です。こちらも語源が仏教にあるという説があります。

仏教には、生まれ変わる際に閻魔様の裁きによって6種類の道に分かれることから、「六道」と呼ばれるものがあります。

七光りは、この六道から外れて七つ目の道である仏の世界に行くことを指しています。




まとめ

今回は、なぜ【7】がラッキーナンバーとされているのか、キリスト教や仏教などの宗教的背景を踏まえて紹介していきました。次回は、現代を生きる我々にとってもっと身近にある【7】について紹介していきます。




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